江戸木目込人形
美しさと共に伝えたいものがある。
鈴木人形の江戸木目込人形づくりで最も追求されるのは、「造形と色彩」の美。
見る人の心に人形の真髄と作り手の想いを語りかける、そんな愛らしい木目込人形を探求しています。
名匠・野口光彦から鈴木人形に代々伝わる木彫芸術の様式美には、日々新鮮な息吹が吹き込まれています。
木目込人形は、桐粉を糊と混ぜた桐糊を固めたボディに溝を掘り、
そこに金襴や友禅などの裂地を色彩豊かに入れ込んで(木目込む)着せ付けて仕上げます。
頭もまた木目込人形向けに創り上げるため、衣裳着人形とはまた違った、
愛らしくも落ち着きある世界観を表現出来るのが魅力です。
伝統的工芸品 江戸木目込人形
木目込人形の発祥は、江戸時代中期、京都上賀茂神社の神官が、祭事に使用した柳筥(やなぎばこ)の材料で、木彫の小さな人形を作ったことに始まります。
その小さな人形に溝を付け、そこに神官の衣装の残りの布を挟んで着せ付けて楽しんだのが始まりと云われています。
当時、賀茂で作られたことから「賀茂人形」と呼ばれていましたが、衣裳の生地を木の刻み目にはさみ込んで作るところから「木目込人形」と呼ばれるようになり、その後江戸にも伝わり、今日の江戸木目込人形となりました。
伝統的工芸品は、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)で規定された5つの要件を満たした物のみが、経済産業大臣から指定を受けることができ、江戸木目込人形においても、指定された原材料と製法が厳しく遵守され、作られています。
1. 主として日常生活の用に共されるものであること
2. 製造過程の主要部分が手作業的であること
3. 伝統的技術または技巧によって製造されていること(100年以上継続する技法)
4. 原材料の全てが伝統的に使用されてきたものであること
5. 一定の地域で産地を形成していること(地域内に10企業以上または30人以上の従事者)